猫を十三匹殺して、その首を村田ビルディングの屋上から投げ落としたあと、自らもダイブすれば、異世界にいくことができる──五島野依のクラスメイト、和久田悦史によって都市伝説は実行され、野依は幼なじみの糸川音色とともに、原始の惑星に飛ばされる。その後、何者かによってさらわれた音色を追うため、野依は、あずかり業者のサットにたのみ、≪客船≫に乗りこんだ。ゆく先は宇宙。そう、異世界は居住可能な惑星があまたある世界だった。それから約二年、野依は《客船》で働きながら、同じ世界から飛ばされてきたはずのクラスメイト六人をさがしていた。誰を助けるか──五島野依は究極の選択を迫られる。そして明かされるサットの秘密。反響続々!新感覚ファンタジー第4巻!
定価:本体950円(税別)
担当者コメント
みんなと一緒にもとの世界に帰ることだけを目的に生きてきたはずなのに、
いつしか、こちらの世界(異世界)でも、大事なものができてしまった野依。
もし、自分が同じ状況になったら、と思うと、胸がぎゅっとしめつけられます。
居場所のある異世界と、居場所のなかったもとの世界。
野依がこれからどんな選択をしていくのか、一緒に旅を楽しんでいただけたら嬉しいです。(モエモエ)
『ユリエルとグレン』で、第48回講談社児童文学新人賞佳作、日本児童文学者協会新人賞受賞。著書に、「お面屋たまよし」シリーズ、「超絶不運少女」シリーズ、『UFOはまだこない』、『密話』、YA!アンソロジー『卒業』、『告白』、『エール』、アンソロジー『ひとりって、こわい!』(いずれも講談社)がある。